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専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案について(参議院で閉会中審査へ)

専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案が平成26年3月7日に国会へ提出されました。6月5日に衆議院で可決され、参議院に回付されましたが、最終的に参議院の厚生労働委員会で6月19日に可決されたものの、本会での決議は時間切れで未了になったようです。この場合、参議院で閉会中審査(継続審査)ということで、後会に持ち越されることになります。従って、まだ公布されない状態です。

1.閉会中審査とは、以下の法律に基づきます。
 ①国会法(第47条1項):会期独立(不継続)の原則(国会の活動は会期中に限られ、各会期は独立して活動するのが原則)
  ②国会法(第47条2項):会期不継続の原則の例外として、委員会は、各議院の議決により特に付託された案件については閉会中も審査することができる。
  ③国会法(第68条):会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。
  ④国会法(第68条但書):但し、第47条第2項の規定により閉会中審査した議案及び懲罰事犯の件は、後会に継続する。

2.ペンディングになっている法案の内容は以下のとおりです。
有期の業務に就く高度専門的知識を有する有期雇用労働者等について、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間(*)に関する特例を設ける。 
(*)同一の労働者との間で有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合は、労働者の申込により、無期労働契約に転換できる(労働契約法第18条)

(主な内容)
(1)特例の対象者
 ① ”5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務”に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者
 ② 定年後に有期契約で継続雇用される高齢者
(2)特例の効果
 特例の対象者について、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間(現行5年)を延長
 但し、次の期間は、無期転換申込権が発生しないこととする。
 ①の者: 一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限10年)
 ②の者:定年後引き続き雇用されている期間

特例の適用に当たり、事業主は、
 ①の者について、労働者が自らの能力の維持向上を図る機会の付与等
 ②の者について、労働者に対する配置、職務及び職場環境に関する配慮等
の適切な雇用管理を実施する。 

3.上記の詳細については、以下をご参照ください。
法案の概要
法律案要綱
法律案
新旧対照

    

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