20 Jun 2014
化学物質による健康被害が問題になった胆管がん事案等の最近の労働災害の状況を踏まえ、労働災害を未然防止するための仕組みを充実する趣旨で労働安全衛生法を一部改正する法律が平成26年6月19日に成立しました。項目としては以下の通りです。
1.化学物質管理のあり方の見直し
・特別規則の対象にされていない化学物質のうち、一定のリスクがあるもの等について、事業者に危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)を義務付けました。
2.ストレスチェック制度の創設
・労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務付けました。但し、従業員50人未満の事業場については当分の間努力義務となります。
・ストレスチェックを実施した場合には、事業者は、検査結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聴いたうえで、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮その他適切な就業上の措置を講じなければなりません。
3.受動喫煙防止対策の推進
・受動喫煙防止のため、事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずることを努力義務とする規定が設けられました。
(注)受動喫煙:室内又はこれに準ずる環境において他人のたばこの煙を吸わされることをいいます。
4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応
・厚生労働大臣が企業単位での改善計画を作成させ、改善を図らせる仕組みが創設されます。
5.外国に立地する検査機関等への対応
・国際的な動向を踏まえ、ボイラーなど特に危険性が高い機械を製造等する際に受けなければならないこととされている検査等を行う機関のうち、外国に立地するものについても登録を受けられることとなります。
6.規制・届出の見直し等
・建設物又は機械等の新設等を行う場合の事前の計画の届出(法第88条第1項)の廃止
・特に粉じん濃度が高くなる作業に従事する際に使用が義務付けられている電動ファン付き呼吸用保護具を形式検定・譲渡制限の対象に追加されます。
7. 施行期日
公布の日から起算して、上記6は6月、3・4・5は1年、2は1年6月、1は2年を超えない範囲内において政令で定める日となります。
8.関連情報(厚労省HPより)