12 May 2026
前回に引き続き「扶養」について、今回は「社会保険上の扶養」について大学生の視点からまとめたいと思います。
■学生の社会保険上の扶養
1.社会保険上の扶養とは
「社会保険上の扶養」とは、被扶養者(子)分の保険料の負担なく健康保険を利用することが出来る仕組みのことです。
2.社会保険上の扶養の要件
「社会保険の扶養」で被扶養者になるための要件は以下の通りです。
(1) 日本国内に住所(住民票)を有していること。
(2) 被保険者により主として生計を維持されていること。
(3) 収入要件を満たすこと。
(4) 一定の要件を満たす被保険者の三親等内の親族であること。
3.「日本国内に住所(住民票)を有していること」とは
「日本国内に住所(住民票)を有していること」について、
例えば、「海外に留学に行く大学生は扶養から抜けてしまうのではないか」という疑問が生じます。
こうしたケースは日本に生活の基礎があると認められ、届出を行うことで、本要件の例外として被扶養者でいることが認められます。こうした例外のことを「海外特例要件」といいます。この届出には添付書類としてビザや学生証、在学証明書、入学証明書等の写しが必要となります。
また他の海外特例要件として海外に赴任する被保険者(親)に同行する者や観光やボランティア活動など就労以外の目的で海外に渡航する者などが含まれています。
4.「主として生計を維持されている」とは
「主として生計を維持されている」とは、被保険者(親)の経済的な支えによって、被扶養者(子)の生活を成り立たせていることを指します。つまり、主に生計を維持している被保険者(親)が被扶養者(子)の生活費の大部分を負担している状態のことです。
例えば、一人暮らし(別居)をしている被扶養者(子)の場合は原則、被扶養者(子)の収入額が被保険者(親)からの継続的な仕送り額より下回っている場合は本要件を満たします。また、被保険者(親)と同居している場合では原則、被扶養者(子)の収入額が被保険者(親)の収入額の2分の1未満であれば本要件を満たします。
しかし、実態として現役大学生の世代では自身の収入だけでは生計を維持することが困難という前提のもと、仕送り額を確認しない場合もあります。
5.収入要件について
社会保険上の扶養に入るための被扶養者の収入要件を下の表にまとめます。
| 被保険者と同居している場合 | 被保険者と別居している場合 | |
| 被扶養者が60歳未満 |
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| 被扶養者が60歳以上
又は障害者 |
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また、例外として19歳以上23歳未満の者が被扶養者となる場合、年収150万円未満まで扶養の要件を満たします。
ここでの年齢要件(19歳以上23歳未満)は扶養認定日が属する12月31日時点で判断されています。例えば、2026年2月に19歳になる者は2026年における年収要件は150万円未満になります。しかし、2025年では130万円未満になります。
したがって、早生まれの大学一年生(18歳)は大学に入学した年の12月31日時点では18歳と判断されるため年収要件は130万円未満になります。
6.「一定の要件を満たす三親等内の親族」とは
社会保険上の扶養に入ることのできる被扶養者の範囲は、被保険者の三親等内の親族とされています。その中でも、配偶者(内縁関係にあるものも含む)や子・孫・兄弟姉妹、父母・祖父母など直系尊属は、被保険者と同居せず、別居していても構いません。
これに対して、上記以外の三親等内の親族や内縁関係にある配偶者の父母・子は、被保険者と同居の必要があります。
■ポイント
①「社会保険上の扶養」とは、被扶養者(子)分の保険料の負担なく健康保険を利用することが出来る仕組みのこと。
②社会保険上の扶養には4つの要件がある。
③海外に留学する大学生も届出をすれば扶養から抜けずに済む。
④一人暮らしの大学生でも自身の収入額が仕送り額を下回っているなどで、主として生計を維持されていることになる。
⑤19歳以上23歳未満の者は年収が150万円未満であれば被扶養者になることができる。(年齢要件はその年の12月31日時点で判断される)
■感想
社会保険上の扶養に入るための要件は、最初にすべてを理解しようとすると少し難しいと感じるかもしれません。そのため、今回は要件の全体像を簡潔にまとめてから一つ一つの項目を解読し、知識を整理するようにまとめました。知識を整理する中で「それってどういうこと?」という疑問を大切にすることが学生にとっての社会保険上の扶養を理解し、まとめるうえで大いに助けになったと感じます。今回は社会保険上の扶養についてまとめました。次回は税制上の扶養についてまとめたいと思います。
