現役大学生が疑問に感じる社会保険や労働法などについて、大学生自身が調べて、自分の言葉でお伝えします。

大学生アルバイトと「有給休暇」①

■イントロダクション

7月は大学の学期末試験のためお休みさせていただきました。今は夏休みに入り、11月の行政書士試験に向けた勉強をしながら、先日は飛騨高山へ旅行に行きました。古い町並みや陣屋などを見学し、天候にも恵まれたことで美しい町の景色を存分に楽しむことができました。私は休みの日は家でゆっくり過ごすことが多いですが、今回の旅行を通して、旅行によるリフレッシュ効果を改めて実感しました。今回のブログは「休みの日」に関するお話です。

 

■「有給休暇」を考えるようになったきっかけ

大学2年生の私は、飲食店でアルバイトを始めて1年が経ちました。この1年間、店長や先輩アルバイトの皆さんに多くの事を教えていただきながら充実したアルバイトができたと感じています。先日、多くのアルバイトを掛け持ちしている先輩(大学3年生)と話す機会があり「有給休暇」の話題になりました。私はその時に初めてアルバイトでも有給休暇を取ることができると知ったのですが、先輩の話を聞く中で、自分が持っている「有給休暇」のイメージと実態との違い(ズレ)を感じました。「有給(ゆうきゅう)」「年休(ねんきゅう)」「有給休暇」という言葉自体は高校生の時から知っていましたが、その内容をほとんど理解していないと実感しました。こうしたことをきっかけに、「有給休暇」について考えたいと思います。

本ブログでは2回に分けて「有給休暇」について大学生アルバイトの視点から知識をまとめ、生じた疑問から理解を深めたいと思います。第1回は「アルバイトは有給休暇を取れるのか」を中心にポイントをまとめます。

 

■アルバイトと「有給休暇」

1.アルバイトは有給休暇を取れるのか

アルバイトでも正社員と同様に一定の要件を満たすことで有給休暇を取ることができます。要件は、

⑴雇い入れの日から6か月が経過していること

⑵その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

の2つです。

要件②の「全労働日」とは労働することを約束(契約)した日のことを指します。例えば、私はシフトによってアルバイトの具体的な日時が決まるため、全労働日はシフトで決められた「すべての労働義務がある日」になります。これを分母として実際に勤務した日の割合(出勤率)によって要件を満たすか判断されることになります。
つまり、シフトに入っている日に休まなければ「有給休暇」はもらえることになります。

 

2.シフト制における疑問

私がアルバイトをしている飲食店はシフトによって勤務する日時が決められます。しかし、大学生アルバイトでは授業やサークルの予定により「シフトのチェンジ(交換)」や「シフトの追加(代わりに出勤する)」ような事例がよく見られます(私も先輩の代わりに出勤したことがあります)。こうした場合、出勤率にどのような影響があるのでしょうか。

「シフトの追加」の場合、本来は休みであった日に労働をしたことになるため「残業」という扱いになります。そのため契約やシフトによって定められる「全労働日」には含まれません。

 

3.アルバイトの試用期間(研修期間)は「雇い入れの日から6か月」に含まれるか

アルバイトを始めてから1か月~2か月は試用期間や研修期間として店長や先輩アルバイトの指導を受けながら働く期間があります。こうした期間は要件①の「6か月」に含まれるのでしょうか。

試用期間や研修期間が設置されている場合でも、「雇い入れの日」は労働契約が成立し試用期間が始まった日とされています。例えば、私は昨年6月8日にアルバイトの面接を受け労働契約を結び、6月12日に試用期間が開始、8月1日に試用期間が終了し正式にアルバイトとして働くことになりました。この場合、雇い入れの日は6月12日となり試用期間を含めた6か月間で判断されることになります。

 

4.アルバイトでも継続勤務年数(勤務年数)によって有給休暇は増えるのか

アルバイトであっても正社員と同様に勤務年数が長くなるほど、取得できる有給休暇の日数は増えていきます。勤務時間や日数が比較的少ないアルバイトの場合、正社員の有給休暇とは別枠で、その増え方は週・年あたりの所定労働日数に比例します。これを有給休暇の比例付与といいます。

※週当たりの労働時間が30時間未満かつ週当たりの労働日数が4日以下の場合

週の所定労働日数 年間の所定労働日数 雇い入れからの継続勤務時間
6か月 1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月
4日 169日~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121日~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73日~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48日~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

私は6月12日~12月11日でシフト上、週2日シフトに入ることになっているため、3日分の有給休暇をもらえるはずです。

 

■ポイント

①アルバイトでも要件(雇い入れの日から6か月が経過していること・その期間の全労働日の8割以上出勤したこと)を満たすことで有給休暇を取ることができる。

②シフト追加によって労働日が追加されても全労働日には含まれない。

③アルバイトの試用期間等も継続勤務の要件の「6か月」に含まれる。

④アルバイトも勤務年数を重ねることで、取得できる有給休暇が増える。

 

■感想

今回は有給休暇と大学生アルバイトについて書かせていただきました。「大学生アルバイトである自分も有給休暇を使うことができる」ことを知りましたが、実際に有給休暇を取得することを想像することはできませんでした。シフト制のアルバイトでは自分の予定に合わせてシフトの希望を提出していることや自分の代わりに働く人がいることなどは有給休暇を取得する難しさの理由になっていると考えられます。また、本ブログのきっかけとなった先輩アルバイトとの話でも、先輩が有給休暇を取得した日はお店が長期休業になる期間で、お店から有給休暇を使うように促されて取得したとのことでした。このことからも大学生アルバイトが主体的に有給休暇を取ることは難しいと感じます。
「大学生アルバイトも有給休暇が使うことができる」としても、使える環境が整っていなければ、誰も自ら進んで有給休暇を使うことはできないと思いました。

次回のブログでは「有給休暇を取った場合、どのぐらいお金がもらえるのか」を中心にポイントをまとめたいと思います。

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