時間単位での有給休暇を請求された場合、与えなければいけないのか？
有給休暇の取得を促進したいと思っているのですが、なかなか取得率が上がりません。従業員に話を聞いたところ、丸々一日休みを取るよりも、遅刻・早退など時間単位での取得を認めて欲しいとの要望がありました。
有給休暇は1日単位で与えるものだと思うのですが、時間単位で取得させても良いのでしょうか？
A. 原則は1日単位。ただし、平成22年4月1日から時間単位で取得させることも可能に。
有給休暇の本来の目的は、労働者の心身の疲労回復を目的としています。その観点からも有給休暇は原則として1日単位で与えることになります。ただし、会社が認めている場合には、半日単位で与えることも認められています。しかし、現在では時間単位の取得は認められていませんので、従業員から時間単位で取得したいという要望があったとしても、時間単位で有給休暇を与えることはできません。
ところで、平成22年4月1日からは、労働基準法が改正され、会社が時間単位での有給休暇の付与を考え従業員が同意した場合には下記の条件のもとに時間単位で取得することが可能になります。
1.労使協定を締結すること
2.年間5日分まで
この改正は労働者にとっては使い勝手が良くなるかもしれませんが、会社側からみると、勤怠管理が煩雑になることが予想されます。会社の管理の手間や、有給休暇の取得状況や従業員の意見等を考慮して、導入するかどうかの判断をすると良いでしょう。
【有給休暇の取得単位】
| 現行 |  |
平成22年4月〜 | ||
| 1日 | ○ | 1日 | ○ | |
| 半日 | ○ 但し会社が認めた場合 |
半日 | ○ 但し会社が認めた場合 |
|
| 時間単位 | × | 時間単位 | ○ 労使双方が認めた場合 |
|
