弊社では6月と12月に、在籍している正社員に対して賞与を支給しています。
今回創業当時からのメンバーで会社の発展に多大な貢献をしてくれたAさんが家庭の事情で5月末に退職することになりました。これまでの例から言えば、6月の賞与はAさんには支給しないのですが、これまで貢献してくれたこと、また直近の半年にとても大きな成果を挙げたことを考えると、わずか数週間の違いで賞与を支給しないことに対して抵抗があります。会社としては賞与を支給したいと思うのですが、何か問題はありますか?
【業種:IT 従業員規模:50人 創業:6年】
まずは御社の就業規則を確認してみましょう。
就業規則(賃金規程)に賞与の支給対象者に関する記載はありませんか?
一般的に
1.「賞与支給日に在籍する正社員に支給する」
2.「賞与の算定期間に在籍していた正社員に支給する」
という記載がよく見られます。
就業規則は会社の決め事ですので、@の場合は支給することはできませんし、Aの場合は退職者に対しても支給することになります。
まだ明確に記載がない場合は、会社の裁量で今回は支給することもできますが、これまでは当然のように「支給日に在籍している」社員に支給していたのであれば、例外を作ることになるので避けたほうが良いと思われます。
賞与は、法律上必ず支給しなければいけないものではありません。したがって支給の有無、支給する場合は誰に、いつ、いくら支給するのか、どんな場合には支給しないのかといったルールは会社で自由に決めることができます。それだけに、トラブルにつながるケースも多く見られます。御社の就業規則にどのような内容が盛り込まれているのかはわかりませんが、上記のような支給対象者に関する記載がない場合には、早急に就業規則の見直しをすることをお勧めします。
ところで、今回のケースでは、Aさんのこれまでの貢献に対して会社として謝意を表したいということですので、賞与ではなく、「功労金」といった形で退職手当に上乗せするというのも一つの方法だと思います。