社会保険料は納付書を見て支払をきちんとしていますが、最近よく社員に給与から控除される健康保険や厚生年金などの社会保険料の徴収額がまちがっているのではないかと言われ不安を感じています。
A.まず、納付している社会保険料は社員から預かっている社会保険料の2倍になっているかをチェック! 社会保険料の徴収間違えは比較的多く、会社が負担しなくてもよい社会保険料を負担していることがあります。一度、やりやすい方法でチェックをしてみましょう。
社会保険料は原則会社と社員が折半で負担をします。会社は社員の給与から社員が負担する保険料を控除し預かり、会社の負担分と併せて、社会保険事務所や加入する健康保険組合から送付される納付書に基づき口座振替という形で支払いをします。このため、会社が誤って社員から控除する保険料が少なくても、会社は社員の負担する保険料もあわせて納付するので、本来社員が負担する保険料分を知らないうちに会社が負担して納付をしています。
このようなムダな人件費を負担していないかを、次の【チェック方法】を参考に、自分にあったやり方で確認してみましょう。
また、社会保険料の徴収誤りの原因には「単純ミス」と「未認識によるミス」があります。今後、ミスによる人件費の負担がないように担当者の社会保険の基礎知識の習得、給与ソフトのメンテナンス、法律改正の情報の収集をしていきましょう。
(※)健康保険組合や厚生年金基金に加入している場合などは2倍ではなく、2倍以上のケースもあります。また、会社の規程で社員が負担するべき社会保険料を会社が負担するケースもまれにあります。 個別の事情をご確認ください。
【チェック方法】
● 自分で重要度の高い内容を中心に大雑把にチェック
● 担当者に指示して細かくチェック
● 外部機関を使って細かにチェック
項目 | 内容 | 重要度 |
保険料率 | 給与の保険料率をチェック 健康保険料率、介護保険料率、厚生年金保険料率、厚生年金基金掛金率が最新の保険料率になっているかをチェック |
◎ |
賞与の保険料率をチェック 賞与も給与と同じ保険料率で保険料を控除しているかをチェック |
◎ | |
標準報酬月額 | 標準報酬月額の入力ミスをチェック 標準報酬決定通知書の標準報酬月額になっているかをチェック |
◎ |
加入・ 変更手続き |
入社、退社の際の保険料控除をチェック 入社時は翌月から徴収しているかチェック 月末退職の場合は最後の給与で2か月分徴収しているかをチェック |
○ |
給与額の変更者をチェック 給与額が一定金額以上した場合の標準報酬月額の変更手続きをしているかをチェック |
◎ | |
育児休業の手続きをチェック 保険料免除の申請手続きをしているかチェック |
○ |
【チェックが必要な会社の例】
● 同じ担当者が長年担当している
● 担当者が比較的短い期間で退職し、担当者が次々に入れ替わっている
● 担当者はパソコン操作が苦手だ
● 社長自身が給与計算をしている
● 給与ソフトのサポートに加入していない