従来、わが社では個人の評価を金額に表し、各人ごとにいくら支給するかを決めてきました。しかし、世間では賞与を給与の○か月分を支給する……などという言い方をよく聞きます。
A.賞与の支給額の決め方は会社によって様々です。
賞与の支給額の算出の方法として一般的には次のような算定方式があります。自分の会社にあった算定方式を選びましょう。
【賞与の算定方法】
分類 | 算定方法 | 特 徴 |
給与 連動 |
基本給× 支給率 |
従来の日本で一番多い形。 給与の中でも中心となる基本給に対して支給率を決めて賞与額を算定する |
算定方法× 支給率 |
現在主流の形。給与の構成が多様化し、基本給以外の本給や手当もあるので、賞与の評価要素から考え、賞与の支給対象にしたい給与の範囲を決めて賞与額を算定する | |
給与 非連動 |
定額 | 一般的に創業間もない会社、小規模の会社、業績が悪い会社が採用している場合が多い。一律、あるいは勤続年数等、一定のルールの下で決まった金額を支給する方法 |
個別金額 | 一般的に小規模の会社で採用している場合が多い 評価を金額で表して個々の社員の金額を決めていく方法 |
「給与の何ヶ月分」という支給方法が多い理由は、賞与も給与の一部だという考え方が主流だからです。賞与の支給額をどのような基準にするのかは、各会社の賞与の支給目的によって異なります。賞与の支給目的は社長が社員に対して日頃の感謝を表すために始まり、目標や課題の達成度や売上実績など会社への貢献度の評価を表すこと等様々な目的があります。
また、賞与と給与の違いとして、給与は一般的に昇給すると引き下げることが難しいのに対し、賞与は前回の賞与額とは関係なく今回の賞与額を決めることができる点があります。算定方式も含めて、給与との違いを理解し、自分の会社にあった賞与の評価基準を明確にし、社員のモチベーションアップにつながるような賞与の算定方法を選択しましょう。
【平成19年7月〜平成20年6月に支給された平均賞与額及び支給月数】
集計企業数 | 支給金額(円) | 支給月数(月) | |
調査産業計 | 965 | 989,334 | 3.29 |
建設業 | 84 | 884,404 | 2.94 |
製造業 | 279 | 1,021,538 | 3.42 |
情報通信業 | 72 | 1,311,011 | 4.03 |
運輸、郵便業 | 43 | 822,351 | 3.26 |
卸売、小売業 | 194 | 869,451 | 3.05 |
金融、保険業 | 32 | 1,448,778 | 4.04 |
不動産業、 物品賃貸業 |
27 | 1,328,832 | 4.28 |
学術研究、 専門・技術サービス業 |
78 | 1,116,595 | 3.20 |
宿泊業、 飲食サービス業 |
29 | 706,596 | 2.44 |
生活関連サービス業、 娯楽業 |
31 | 1,088,161 | 3.78 |
教育、学習支援業 | 17 | 809,901 | 3.03 |
医療、福祉 | 20 | 346,479 | 1.76 |
サービス業 | 59 | 893,644 | 3.09 |
10〜49人 | 511 | 913,578 | 3.04 |
50〜99人 | 300 | 997,605 | 3.38 |
100〜299人 | 154 | 1,224,595 | 3.95 |