人事や労務のあれこれについて、Q&A形式にておこたえします。

Q.2020年4月から民法が改正・施行すると聞きました。労働関係でも何か影響はあるのでしょうか?

A.2017年に改正された民法が2020年4月から施行される予定となっており、労働関係でもいくつか影響がある見込みです。

基本的には労働関係は労働基準法等の労働法で決められていますが、
労働基準法制定時に民法の影響を受けた定めや労働基準法に定めがない点について
影響を受ける部分があります。

このような影響がある部分について、次にポイントをまとめてみました。

1、賃金等請求権への影響
 労働基準法では賃金等請求権を2年としていましたが、
 民法改正でこの2年に影響を与える短期消滅時効が廃止され、時効の起算点は
 「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間
 又は権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年間」に整理されました。
 そのため、これまでの賃金等請求権2年を延長しようと
 する議論が始まっています。
 本内容は未払賃金請求権や年次有給休暇の時効等と関係することもあり、
 会社での労働日数・時間関連の書類保管年限とも関連することから、
 すぐに決定していませんが、段階的な延長等も視野に議論が進んでいるようです。
 (2019.10.20現在)

 なお、賃金関係については、合わせて
 賃金の遅延損害金に関する利率改定が行われています。
 在職中に賃金が遅延して支払われることによる遅延損害金にかかる
 法定利率について、現在のところ会社の場合6%である利率について
 変動利率が適用されるようになります。

2、身元保証への影響
 入社時など身元保証書を従業員に対し、提出させる企業は多いかと思います。
 身元保証書により
 その従業員へ損害賠償請求が発生した場合や
 その従業員を雇用したことにより使用者に生じた損害を身元保証人に保証させる損害担保の
 意味合いがあります。
 ただし、今回の民法改正では保証契約についての改正があり、身元保証についても類推され、
 保証書の中で極度額(賠償の上限)を定める必要があることとなりました。
 身元保証を取り付けるバーが一段上がったともいえ、
 今後の身元保証書の取り付けについては、一度検討の必要があるでしょう。

3、意思表示の到達
 例えば解雇の場合など、意思が相手に到達するのが前提になりますが、従業員が内容証明
 郵便等の受け取りに応じない場合などについて
 「一方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、
 通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。」という内容が明文化されました。

他にも、契約関係などの変更もありますが、ここでは主なものをピックアップして
お伝えしています。1、の動向については、決定されましたら、また改めてHP等で通知致します。

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