労働基準法、育児介護休業法、社会保険制度その他、 労働関係の法改正情報をタイムリーにお伝えします

介護保険法の一部改正について

介護保険法の一部改正法案(国会提出時は”地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案”が平成26年6月18 日に国会で成立しましたので、その概略を厚労省の資料に基づき以下に記載します。
地域での支援体制をより一層充実させていくことや、一定の所得がある利用者の自己負担額が1割から2割に変更になるなど影響の大きな改正になっております。詳細につきましては、今後通達等で明らかになってくると思われますので、判明次第、都度ご報告予定です。

1.地域包括ケアシステムの構築
高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるようにするため、介護、医療、生活支援、介護予防を充実することが目的です。
(1)サービスの充実
地域包括ケアシステムの構築に向けた地域支援事業の充実
①在宅医療・介護連携の推進
②認知症施策の推進
③地域ケア会議の推進
④生活支援サービスの充実・強化

(2)重点化・効率化
①全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を市町村が取り組む地域支援事業に移行し、多様化・段階的に移行することになっています(~平成29年度)
②特別養護老人ホーム新規入所者を、原則、要介護3以上に限定されます(既入所者は除く)。
但し、要介護1・2でも一定の場合には入所可能。

2.費用負担の公平化
低所得者の保険料軽減を拡充。また、保険料上昇をできる限り抑えるため、所得や資産のある人の利用者負担が見直されます。
(1)低所得者の保険料軽減を拡充
・給付費の5割の公費に加えて、別枠で公費が投入され、低所得者の保険料軽減割合を拡大。
* 保険料見通し: 現在5,000円程度→2025年度 8,200円程度
* 軽減例: 年金収入80万円以下5割軽減 →7割軽減に拡大
* 軽減対象: 市町村民税非課税世帯(65歳以上の約3割)

(2)重点化・効率化
①一定以上の所得のある利用者の自己負担を引上げ (1割負担から2割負担へ。平成27年8月1日から)
・ 2割負担とする所得水準を、65歳以上高齢者の所得上位20%とした場合、合計所得金額160万円となる見込み(年金収入で、単身280万円以上、夫婦359万円以上)。ただし、月額上限があるため、見直し対象の全員の負担が2倍になるわけではないようです。
・ 医療保険の現役並み所得相当の人は、月額上限を37、200円から 44,400円に引上げ

②低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加
・預貯金等が単身1,000万円超、夫婦2,000万円超の場合は対象外。
・世帯分離した場合でも、配偶者が課税されている場合は対象外。
・給付額の決定に当たり、非課税年金(遺族年金、障害年金)を収入として勘案。
*不動産を勘案することは、引き続きの検討課題になりそうです。

3.詳しくは以下をご参照下さい。

概要
法律案要綱
法律案文
法律案新旧対照表
介護保険制度改正案について(厚労省老健局)

 

 

 

 

関連記事

アーカイブ